皆さんこんにちは。yossyです。
最近、小中学生の習い事に「プログラミング」が入るようになってきました。私がその年だったのは3~5年前で、その頃は「パソコン教室」はちょくちょくありましたがプログラミングが名前として出てくることはまれだったと思います。
と、プログラミングが普及した中「子どもにプログラミングをさせたい!」と考える家庭も増えていると思います。ですが、スクールに通わせるにはある程度のお金や「つまらない」とやめてしまうリスクも出てきます。
そこで今回は、子どもでも手軽に楽しくプログラミングを学べる「Raspberry Pi Pico」を紹介します。
1. はじめに
なぜ今「子どものプログラミング教育」が必要なの?
共通テストでも「情報」としてプログラミングが登場しているほど、プログラミングは現代で必須のスキルの一つです。なぜここまでプログラミングが重要視されているか。それは、家電やパソコン・スマホなどを動かすためにはプログラミングが必要不可欠だからです。
プログラミングは、頭が柔軟な子どもの内から学習することがおすすめです。九九を小学校低学年のときに覚えるのは、脳が若いうちは記憶に残りやすいためですね。同じように、プログラミングを学習するのは早く学習するほど効果的です。

私も、小学3~4年生のころからプログラミングに触れていました。
Scratchなどでは物足りない?
「Scratch」という言葉を聞いたことがありませんか?これは、プログラミング言語(プログラムを作成するための言語)の一つで、視覚的にわかりやすい「ブロック」を使ってプログラムを作成するのが特徴的です。
直感的にプログラムを作れるので、小学校低学年などの子どもでもプログラムを作れるのが特徴です。複雑な文字の組み合わせでプログラムを作る必要がないと、アルゴリズム(プログラムが動作する仕組み)を勉強するのにとても便利です。
一方で、「画面の中のキャラクターを動かす」だけでは、物足りない要素もあります。
例えば、ゲーム機について考えて見ましょう。ゲームのコントローラのボタンを押すと、キャラクターが動いたりジャンプしたりしますね。効果音が鳴ることもあります。このとき、ボタンを押したことを認識したり、画面が変わったり、音が鳴る仕組みはどうなっているでしょうか。
このような、「実際の部品を動かす」ことを学習するのも、プログラミング学習として大切な要素の1つです。
「手を動かして体験する」学びの大切さ
プログラムが実際に「モノ」を動かす感覚を体験することで、子どもはよりリアルに学びを感じ取ることができます。「どうすればLEDが光る?」「どうやったら音が鳴る?」といった疑問を持ち、自分で試行錯誤しながら答えを見つけることで、技術・知識を身につけることができます。
ブロックのおもちゃのように、実際の部品を組み立ててプログラミングすることで遊び感覚で楽しく学ぶことができます。
2. Raspberry Pi Picoってどんなもの?
ここからは、子どもたちが楽しみながらプログラミングを学べる「Raspberry Pi Pico(ラズベリーパイ ピコ)」について紹介していきます。
Raspberry Pi Picoとは
Raspberry Pi Pico(通称:ラズピコ)はRaspberry Pi財団が開発した小型のマイコンボードです。「Raspberry Pi」シリーズはシングルボードコンピューター(実際のパソコンとして使える小型コンピューター)が有名ですが、Raspberry Pi Picoはそれとは異なります。実際のパソコンとしてではなくマイコンボードという、LEDやセンサーなどの電子部品を使うことに特化した装置です。
たとえば温度センサー×ディスプレイで温度計、サーボモーター(角度を指定して動かすモーター)×距離センサーで自動スプレーなど、複数のパーツを組み合わせて使えます。
Raspberry Pi Picoのスペック
Raspberry Pi Picoのスペックは次のようになっています。
- サイズ:21mm×51mm
- 価格:約1000円~
- PythonベースのプログラミングができるMicroPython対応
- デュアルコアCPU
- Pico W / Pico 2WはWiFi・Bluetoothあり
どうしてRaspberry Pi Picoがおすすめ?
Raspberry Pi Picoがおすすめな理由は次の通りです。
- 価格が安い
- MicroPythonで簡単プログラミング
- Pico W / Pico 2WはIoTにも使用可能
1.価格が安い
価格が安いので、プログラミング入門用に最適。もしも途中でやめてしまっても、負担が小さいので安心です。
2. MicroPythonで簡単プログラミング
MicroPythonはマイコンボード用のPythonです。
Pythonは初心者に人気のプログラミング言語。文法がシンプルでわかりやすく、初心者向けの教材も豊富です。シンプルな計算からデータ分析・AIにも使用される言語なので、ラズピコ以外でもスキルを活用できます。



私の学校の授業でもPythonが使われています
3. Pico W / Pico 2WでのIoT
Wがついているラズピコでは、WiFiやBluetoothが使用できます。
スマホに部屋の温度を送ったり、逆にスマホから装置を操作したり、実際に販売されている製品のしくみを再現することもできます。
先ほど紹介したPythonでスマホやパソコン側のプログラムも作ることができます。
他のマイコンボードと比較
マイコンボードは他にも種類があります。例をあげるとこんな感じ。
- Arduino:最も有名なマイコンボードの一つ。シールドやライブラリが豊富で拡張性が高い
- MicroBit:標準でボタンやマトリクスLEDを搭載。ブロックプログラミングが可能で子ども向け
どちらも良いマイコンボードですが、いろいろなアイデアを実現しやすいという点で、Raspberry Pi Picoをおすすめしています。
もしも、「子どもにPythonはちょっと難しいかも…」と考えているなら、Raspberry Pi PicoではなくMicroBitをおすすめします。Scratchと同様にブロックプログラミングができる点が良いです。
3. 子ども向けのおすすめプログラミング環境
この章では、Raspberry Pi Picoで使われるMicroPythonというプログラミング言語について紹介します。
MicroPythonは、Pythonから派生したプログラミング言語で、Raspberry Pi Picoなどのマイコンボードでプログラムを書くときによく使われます。ほとんどがPythonと変わらない文法なので、子どもでも入門しやすいのが特徴です。
実際に、LEDを点滅させるコードは次のように書くことができます。
from machine import Pin #LEDを使うためのモジュールを読み込み
import utime #時間についてのモジュールを読み込み
led = Pin(25, Pin.OUT) #LEDをGPIO25(内蔵LED)に設定
while True: #ずっと繰り返す
led.value(1) #LEDをオン
utime.sleep(1) #1秒待つ
led.value(0) #LEDをオフ
utime.sleep(1) #1秒待つ
シンプルでわかりやすいコードになっています。これを、Thonnyという専用のソフトにコードを書いたら実行ボタンを押すだけで動作します。


4. Raspberry Pi Picoでプログラミングを始めるには
実際にRaspberry Pi Picoでプログラミングを始める方法を解説します。
始め方の解説は個別に記事がありますので、参考にしてみてください。


必要なもの
まずは、Raspberry Pi Pico、それと一緒に使う部品を購入します。
- Raspberry Pi Pico (IoTならWつきモデル)
- USB Micro-Bケーブル
- ブレッドボード(パーツを差し込む板)
- ジャンパワイヤー(パーツを繋ぐ線)
- LEDやセンサー・ディスプレイなど
- パソコン
これを用意すれば入門用としてはOKです。
もしまとめて購入するのであれば、「スターターキット」を購入するのがおすすめ。



子どもへのプレゼントとしてもいいかもしれません。


最初の方は個別に購入してもいいですね。


書籍も発売されています。


5. 子どもが夢中になる!ラズピコ工作アイデア3選
ここからは、実際にRaspberry Pi Picoを使ってできる工作のアイデアを紹介します。ここで紹介しているアイデアは、どれもラズピコを使って作成することができるので、ぜひ作ってみてください!
🌟 LEDを光らせて「初めてのプログラミング」
難易度★
ラズピコを使ってLEDを光らせてみよう!ラズピコで電子部品を動かす基本を学べます。


🌟 反射神経ゲーム(光ったらボタンを押す)


難易度★★
LEDとスイッチを使ってゲームを作ろう!家族や友達と遊べます。


🌟 快適度モニター(温湿度センサー・ディスプレイ)


難易度★★★★
センサーを使って部屋の温度を調べよう!自由研究にもぴったり


🌟他にもいろいろ!


他にも、ラズピコを使った工作アイデアはたくさんあります。もしかしたら、私が思いつかないようなアイデアが出てくることもあるかもしれません。


6. 親子で取り組むときのポイント
ここで、Raspberry Pi Picoを使ってプログラミングを学ぶときのポイントを紹介します。
1.失敗してもOK
プログラミングや工作には失敗がつきものです。失敗しても怒ったりやめたりせずに、「どうしてだめだったのか」を考えることが大切です。



私も何度も失敗して勉強してきました。
2.やりたいことに挑戦する
「ロボットを作りたい!」という声には「そんなの無理」と言わず、挑戦してみましょう。実際ロボットを作るのは難しいかもしれませんが、挑戦している途中で手に入れる知識や経験は他のことにも活かせます。
また、やってみると案外簡単な場合もあるので、諦めずに試してみることがおすすめです。
3.コードの意味はざっくりでOK
プログラミングは、見慣れない文字や単語が並んでいて、すべてを理解するのは子どもにとって難しい場合もあります。そんなときは、ざっくり流れを掴むだけでもOKです。プログラミングは動作結果が大事なので、「とりあえず動く」でも大丈夫。



ChatGPTに聞いてもいいですね!
7. まとめ
今回は、Raspberry Pi PIcoで始める子どものプログラミングについて解説しました。
ラズピコは「簡単・楽しい・学べる」という3つの要素が揃ったとてもいい教材です。プログラミングといっしょにものづくりも学べて子どもの好奇心を刺激します。
今こそ、Raspberry Pi Picoで、簡単にできる「未来の学び」を始めてみましょう!


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